【介護士有罪事件】本当に困るのは利用者という話

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こんにちは。吉田(@goodda_good)です。

特別養護老人ホームの女性入所者がおやつをのどに詰まらせて死亡した事件について、食事の介助に十分な注意を払わなかった介護士(准看護師)が有罪判決になりました。
一応、業務上過失致死ということですが、この事件について公開されている情報を整理すると、どこに過失があったのか、という見解にならざるを得ません。

そして、この事件で介護士を有罪判決にして、誰が浮かばれるのでしょうか。
長い目で見ると、この介護士を有罪判決にしてしまったら、一番損するのは他ならぬ老人ホーム利用者です。

今回は、この事件に関する詳細と、この事件によって今後老人ホーム利用者に何が起こるか、を説明したいと思います。

    目次

  • 事件の概要
  • 介護士の責はどこに?
  • 介護士を追い詰めて困るのは利用者
  • 訴求すべきは施設長

事件の概要

朝日新聞の記事を引用すると、事件の顛末は以下の通りです。

起訴状などによると、山口被告は同年12月12日午後、同ホームの食堂で女性におやつのドーナツを配った。
検察側は女性には口に食べ物を詰め込む癖があったのに、被告は他の利用者に気を取られ、女性への十分な注意を怠ったほか、窒息などに備えておやつがゼリーに変更されていたのに、その確認も怠ったなどと主張した。

うーん、という感じですね。
介護が必要な人なのに「女性には口に食べ物を詰め込む癖」があって、結果、喉を詰まらせたと。

いやもうそれ死ににいってますやん。
介護関係なく、いつか自分で死ぬやつですやん。

毎年正月に餅を喉に詰まらせて亡くなる人と何が違うんですかね。
さすがにこじつけにもほどがある。

と思ったら次の文。

一方、被告側は女性は脳梗塞で死亡したと考えるのが最も合理的で、ドーナツによる窒息が原因で死亡したとの検察側の主張を否定。
その上で女性の食べ物を飲み込む力には問題がなく、食事の様子を注視しないといけない状況ではなかった

飲み込めるなら餅を喉に詰まらせる人より強いですね。
しかもこの女性、喉を詰まらせた一か月後に死亡したようです。不自然ですね。

普通喉を詰まらせて死ぬなら、1ヶ月もかかりませんよね?
考えれば考えるほど、意味不明な判決です。

介護士の責はどこに?

この介護士のどこに責任があったのでしょうか。

事件が起きた当時、介護施設は全介助が必要な2人の被介護者を含む17人を、たった2人で介護していたようです。
そんな介護体制で、目を離したすきにおやつを喉につまらせてしまったのです。

全介助とは、生活に必要なすべての活動を介助してもらうことです。
そんな人が2人いる状態で、17人を2人で見切れるでしょうか。

17人を2人で見る場合、1人が面倒を見られるのは約9人です。
1人に対して平均30秒世話をした場合、ラウンドロビン方式で考えると、9人目の人が世話されるのは30秒 × 8人の240秒後になります。

実際にはもっと世話をする時間は長いでしょう。
30秒で見積もっても、9人目の世話までに最低4分待ちが発生するのに、目を離したと言われる始末。

介護士は全力を尽くしており、むしろ、限界を超えて職務を全うしていたのです。
それが数字でわかっているのに、いったいどこに過失責任があるのか、私にはわかりません。

介護士を追い詰めて困るのは利用者

さて、今回の事件では残念ながら介護士が有罪になってしまいましたが、これにより何が起こるでしょうか。

今回の事件に関しては、利用者側が勝訴という形になって終わりました。
しかし、長い目で見たら、利用者側が損する構図になってしまいます。

少子高齢化で介護士が減っている昨今、安い賃金で働いてもらって、日頃から行き過ぎと言えるほどの高いサービスを要求する介護業界。
今回の事件を引き金に、介護士になる人がさらに減少し、もはや必要最低限のサービスすら受けられなくなるまで介護士が減ります。

介護士が減った結果、今回の事件のような、人手が足りないことで起こる事件が再度発生します。

生活保護の記事でもお話ししましたが、サービスにおいてアンフェアな状況を放置して1番困るのは、そのサービスの利用者です。
自分たちの権利ばかり主張し、大局的に状況を見れる視野を持たないと、最終的に割りを食うのは自分たちなのです。

状況・情報を整理し、誰に責があって、誰を訴求すべきなのか、きちんと見定める必要があります。
とりあえず、世話してた介護士を訴えようという短絡的思考は、自分で自分の首を絞めることに他なりません。

このままでは介護士の離職は増え、人手不足により利用料金が増え、入所を断られる人も増えるでしょう。
利用者が変わらなければ、そうなるのは必然です。

訴求すべきは施設長

では、今回の事件で訴求すべき対象は誰だったのでしょうか。
もちろん、利用者などと言うつもりはありません。

それは、こんな人手不足の状況で、入所者と介護士を缶詰にした介護施設の施設長です。
被害者が訴えるべきはそっちだったのです。

今回の事件のような、介護士イジメとも取れる状況では、人手不足に陥るのは必然です。
今回の事件は、必然的に起こった現象が巻き起こした当然の結果なのです。

たまたま長野県の特別養護老人ホームに勤めていた介護士が起こしてしまっただけであって、当人にはまるで責がありません。

むしろ、先程も挙げましたが、介護士は限界を超えてまで仕事をしていました。
有罪判決を下すなど、おこがましいにもほどがあるのです。

こうやって本質を見抜いて、責任がある人をきちんと選別出来ないと、だれも介護士をやってくれなくなります。
というか、これに有罪判決を下した長野地裁松本支部(野沢晃一裁判長)は何なんでしょうか。

この程度で裁判長になれるなら、私がやってあげてもいいですよ。

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